大峯奥駈道はWikipediaによると以下のように記されている
大峯奥駈道は、吉野と熊野を結ぶ大峯山を縦走する、修験道の修行の道。1000-1900m級の険しい峰々を踏破する「奥駈」という峰入修行を行なう約80kmに渡る古道を指す。2002年12月19日、国の史跡「大峯奥駈道」として指定された。
大峯奥駈道は、修験道の根本道場である金峯山寺などがある奈良吉野山と熊野三山を結ぶ、もとは修験道の修行場として開かれた道であり、熊野古道の中で最も険阻なルートをなす。修験道の開祖とされる役行者が8世紀初頭に開いたとされる。今日、一般的に大峰山(大峯山)といえば山上ヶ岳を指すが、大峯奥駈道でいう「大峯」とは、吉野から山上ヶ岳を経てさらに奥の山々、そして最終的には熊野三山に至る大峰山脈を縦走する修行の道全体を指している。道中の最高峰は八経ヶ岳の1915m。
吉野から熊野まで、神社や寺のほかに、大峰山脈の主稜線沿いに75の靡(なびき)と呼ばれる行場(霊場)があり、修験者は5月3日の大峯山寺の戸開けから9月23日の戸閉めまでの間に奥駈修行を行なう。奥駈は修験道でもっとも重視される修行であり、神仏が宿るとされる岩や峰、滝などで祈りを捧げる。宗教上の理由から、山上ヶ岳の北「五番関」から南の「阿弥陀ヶ森」までは女人禁制。
私の山行記録を記憶をたどりながら書いてみます
2018/5/8 出発
自宅 → 京都
橿原神宮前 乗り換え
行程
1日目:吉野駅⇒ 吉野分水神社⇒ 金峯神社⇒ 青根が峰⇒ 四寸岩山⇒ 二蔵小屋
ようやく吉野駅に到着
連休明けなのでほとんど観光客はいません
駅前の土産物屋も閑古鳥 店員さんも暇そうにしていました
観光客がいないので、当てにしていたロープーウェイも運休でした
ここに来ると数人の観光客がいました
しかし、シトシトと雨が降り出します
急いで雨具を取り出して極力濡れないようにしましたが、汗と雨で超ウエット状態です
途中、奥千本までバスに乗ろうかとも思いましたが、この案内看板を見て気合いを入れて歩くことにしました
次第に雨が強く降り出し全身ずぶ濡れ
スピード上げてようやく今日の宿に到着
既に3名の先客がいてストーブに火を起こしてくれていました
山小屋はその煙で充満していて、とても二階では眠れそうにないのでストーブ脇を使わせてもらい、一息つきました
宿泊;二蔵小屋 ・無人・無料・定員10名・水場15分
水場は15分下った所にあるのですが、降雨のために濁っていて使い物になりません
今回は浄水器も持ってこなかったので、吉野駅で補給した水を大事に使います
食後は何もすることもないので早々に寝ましたが、夜中に急激に気温が下がりとても寒くてよく眠れませんでした
2日目:二蔵小屋⇒大天井ヶ岳⇒五番関⇒洞辻茶屋⇒山上ヶ岳⇒小笹宿⇒大普賢岳⇒七曜岳⇒行者還岳⇒行者還避難小屋
この日も朝から雨
小屋の同居人は出発をためらっていましたが、私は出発することに決めて朝食抜きで小屋を後にしました
沢の水は相変わらず濁っていて飲めそうにありません
諦めて先を進みます
ここから女人結界 修験道の始まりです
道沿いには数多くの仏像があります
突然現れたりすると少し不気味な感じです 暗闇の中で遭遇するとビビリますね
それと、修行僧?信者さん?参拝者?の休憩所 既にオフシーズンなのか誰もいません
修行場の西の覗
ガスで全く下が見えないので少しがっかりです
山上ヶ岳頂上も霧で何も見えず
ようやく晴れ間が出てきたと思ったら、鹿までお出ましです
私は熊よけ鈴を鳴らしながら歩いていましたが、鹿は全く気にもせず、こちらを向いて写真に収まってくれました
この日の宿泊;行者還避難小屋 ・無人・無料・定員15名・水場5分
大きくてしっかりした山小屋です
皆さん綺麗に使っていて掃除も行き届いています
この日の同居人は前日一緒だった埼玉県から来た大学院生と、途中から合流した年配の方 合計3人だけ
3日目:行者還避難小屋⇒一の垰⇒聖宝宿跡⇒弥山小屋⇒舟の垰⇒楊枝宿小屋⇒釈迦ヶ岳⇒深仙小屋
この日は気温が低く山頂部では樹氷が綺麗に青空に映えています
弥山山頂 弥山小屋を通り過ぎると女人結界も終わりなのか女性ハイカーをたくさん見かけるようになってきます
ピンボケの八経ヶ岳
岩山の上部には修験道の鎖場があります
ようやく晴れてきて熊野の山並みが見えてきました
所々、危なそうなところもありますが、慎重に行けば問題ありません
この日の宿泊;深仙小屋 ・無人・無料・定員4名・水場4分
本当に小屋です 全面トタン仕様 雨が降ったらさぞかし雨音が響いたでしょう
中はこんなです
食事を摂るのと眠るのは問題なしです
水場も近くて良いですが定員が4-5名なので早く着かなくてはなりませんね
4日目:深仙小屋⇒太古の辻⇒天狗山⇒涅槃岳⇒持経小屋⇒平治小屋⇒行仙岳⇒行仙小屋
朝から良い天気です
大日岳 少し大日様が傾いています
後日、新宮山彦ぐるーぷさんたちが修復したとFBで知りました
太古の辻 ここから南奥駆道です
涅槃岳山頂 ピークとは思えないところです
持経宿
汲み水がたくさん置いてあって、暑い陽射しにバテていたので助かりました
中も綺麗でした 泊まっていこうかととも思いましたが、まだ日が高いので先に進みます
行仙岳
行仙宿山小屋
・無人 ・2000円以上をポストに入れる ・定員40名 よく手入れされている
・水場30分(汲み置きがあり) トイレも綺麗
新宮山彦ぐるーぷさんたちが管理されているので、大変手入れが行き届いています
持経宿も平治宿もそうでした 感謝です
5日目:行仙小屋⇒笠捨山⇒地蔵岳⇒貝吹金剛⇒蜘蛛の口⇒花折塚⇒玉置山⇒玉置神社⇒玉置辻駐車場テント泊
ゴールに近づいてきました
途中の展望台でパノラマです
小辺路の山並みが綺麗に見えます
玉置山の山頂です
玉置山を下って玉置神社で水を補給
今日の宿は神社の駐車場 これは駐車場からの夕景
駐車場の売店のおじさんにテント泊の許可をもらい、トイレ脇のスペースを指示されました
夜になると誰もいなくなったので、売店横にテントを移動させました
しかし、これが大失敗
夜中に何台もの車がきました
なんと信心深い人が夜中に参拝に来ているのです
夜中の2時、3時です 理解できません
うるさくて全く眠れませんでした 売店のおじさんの指示を守るべきでした
4時ごろ 雨が降り出したのでテントを畳んで出発します
6日目:玉置神社⇒大森山⇒五大尊岳⇒金剛多和⇒山在峠⇒七越峰⇒熊野川奥駈起点⇒大斎原⇒熊野本宮大社
ここから熊野本宮大社の大鳥居が見えましたが写真撮影に失敗です
行けども行けども辿り着かず、雨はますます酷くなるばかり
熊野川は増水していて渡渉できず、橋があるところまで大回り
そして、熊野本宮大社の石段をヒイヒイいいながら上がって参拝です
ぶらぶらしていると新宮行きのバスの最終便に乗り遅れてしまい
世界遺産熊野本宮館で今日の宿を紹介していただきました
バスで川湯温泉のペンションあしたの森に移動
疲れはて雨でずぶ濡れの体を温泉で温め生き返りました
オーナーさんの好意で洗濯機と乾燥機を使わせていただき、旅の疲れも徐々に回復してきました
ひどい筋肉痛と足のマメ 足を引きずりながら部屋と洗濯場、食堂を行ったり来たり
オーナーさんが登山靴を乾かしてくれていて感謝感謝です
部屋もいいところ
対岸では川湯に浸かっている人もいます
翌朝、バスで新宮駅に向かいましたが、名古屋行きのちょうど良い特急がなく、各駅停車で名古屋に向かい帰路につきました
大峯奥駈道は総距離80-90kmほどですが、登り合計7,700m、下り合計7,900mもあって本当に厳しいルートでした
正に修験道のエリアです
参拝者の道ではないのですね
だから、Dual Pilgrimの対象になっていないのですね
危険な個所や道がわかりにくいところはあまりありませんが、 ところどころ注意していれば問題なく行けると思います
問題なのは飲料水の確保です
水が汲めるときに目一杯汲んでおくことが肝心です
あとは自分の体力を信じて歩くのみです
トレッキングポールは今回持って行かなかったのが失敗でした
体力を温存するには使った方が良かったと思います