せっかくなので、ついでに高野山までの巡礼路の高野山町石道と熊野本宮大社から那智大社までの中辺路も歩くプランを立ててみました
新大阪から難波へ 難波から南海電鉄で橋本乗り換えで上古沢駅まで移動
当初は九度山駅から歩こうと思っていましたが、午後から雨の予報で初日から雨に濡れるのは避けたいことと、宿坊の門限が17時厳守となっているので少しだけショートカットすることにしました
ここで降りたのは私だけです
町石道(ちょういしみち)は、慈尊院(和歌山県伊都郡九度山町)から高野山(和歌山県伊都郡高野町)へ通じる高野山の表参道である。弘法大師が高野山を開山して以来の信仰の道とされてきた。国の史跡「高野参詣道」として指定されている
上古沢駅から二つ鳥居までコースタイム75分 思っていたよりハードなコースで初日から汗だくになりました 九度山駅から入った方が楽だったかもと後悔
これが町石 124町と書いてあります
こんな感じの参道が続きます
上古沢からの道よりずっと楽チンです
二ツ鳥居
黙々と歩いていると、女性から声をかけられます
アジア系の外国人です
私のバックパックに付けているCaminoのワッペンを見てスペイン巡礼の話になりました
2年前にフランス人の道を歩いたそうで、来月ポルトガルの道をポルトから歩くと言っています
高野山でまた会いましょうと言って、先に行ってしまいましたが、それきり会うことはありませんでした
そして、しばらく行くと矢印がありました 赤いけどCamino を思い出しました
この辺りではトレランの人が結構いて、スピードを落とさないで脇を通る人には要注意です
最後の急登を過ぎると”大門”が突然現れ高野山町石道の終了です
高野山のお寺めぐりをしながら、あちこち参拝してまわります
結局、町石の1番は見つけられませんでした
6番が最後だったかな
後で地図を確認すると1番は根本大塔の入り口にあったようです
金剛峯寺ではとうとう雨になりました
外国人の観光客もたくさん来ています
宿坊案内所でDual Pilgrimスタート地点 小辺路のスタンプを押してもらい
観光案内所で小辺路のルートマップを入手
日本語版は昨年よりリニューアルされていました
それと外国人向けのマップもあったのでこちらも頂きました
こちらの方がより詳しくて重宝しました
今日の宿、地蔵院です
ここは平成4年に焼失し、鉄筋コンクリート造りで再建されたそうで、中は旅館のような作りになっています
部屋の窓からは刈萱堂
赤い旗がなびいていました
夕食は17:30から
当然ながら精進料理
タンパク質はほとんどが大豆食品 胡麻豆腐、湯豆腐、高野豆腐と豆腐づくしです
これでパワーが出るのか?
雨は夜中に本降りになりましたが、朝方には上がり
6:30からの朝のお勤め 身が引き締まる読経
朝食は7時から
糖質の補給に朝からしっかりご飯を頂きます
さっと食事を済ませて、7:20出発です
金剛三昧院の脇から小辺路の道が始まりました
いくつもの峠を越えて、しっとりとした空気の中をただ黙々と進みます
途中、舗装道路 高野龍神スカイラインを車に注意しながら、、、
高低マップを見ると結構アップダウンがありそうです
大股バス停で昼食
ここまでの下り坂 きつかった
今度は登り
これもかなりの急登
やっと萱小屋です
個人の所有だそうですが、無料で使うことができるようです
中は狭いですが伯母子峠の避難小屋が満員の時は使えそうです
この分岐を過ぎると伯母子峠です
避難小屋到着
8人ぐらいは泊まれそうですが、今日の宿泊者は3人でした
先着の方は前日、萱小屋に泊まったそうで、随分と刻んだ山行をしている人でした
もう1人は、白装束の巡礼姿です
真面目に巡礼をしているのかと思いきや、お酒をたくさん持ってきています
ガブガブ飲んでぐーぐー寝て、朝4時に起きてガサゴソ とても騒々しい御仁でした
翌朝はようやく晴れ間が出てきます
杉木立の合間から薄日が差してきました
峠を下り、伯母子峠登山口までやってきました
ここから、三浦口バス停までしばらく舗装道路です
わりとしっかりしたつり橋を渡り、三浦峠の登りに入ります
見た目綺麗な石畳ですが、雨で滑って歩きにくい所です
なぜか熊野古道の石畳はほとんどが平らです
階段状にしたら歩きやすいのにと思いながら歩いています
昔の防風林の古木を過ぎ
三十丁の水場です
カエルの声が聞こえますが、姿は見えません
三浦峠の東屋で行動食を取り、雨が降り出したので雨支度をして出発です
古矢蔵跡、出店跡、矢倉観音堂を過ぎ、西中バス停まで降りてきました
ここでバス待ちをしている人たちと、情報交換です
皆さん、ここから十津川温泉までバスで移動し、温泉旅館に泊まるそうです
バスが来るまで40分あります
ビールの自販機があったので、缶ビールを飲んで暫し休憩
まだ時間があるのでバス道路を歩くことにします
歩くこと90分 十津川温泉手前のホテル昴に到着しました
ホテルの中でスタンプを押して、今日最後の登りの果無峠に向かいます
この柳本橋 想像以上にスリル満点です
雨で板が滑りまくりです
おまけに高度もあって、下を見たらビビリます
果無集落までの石畳の道もツルツル
階段状になっていないので、歩きにくいことこの上なしです
途中、英語を話すご婦人たちに遭遇します 6人組です
十津川温泉へ行く道はこの道でいいのかと聞いてきます
間違ってはいないのだが、もっと近道があったのに、ここまで来るとこの道を下るしかないと教えてあげました
あの恐ろしい橋を渡らなくて済んだのに
果無集落の世界遺産の石碑も雨で文字が良く写っていません
テレビで良く見る、あのおばあちゃんもいましたが、雨の中、話すこともできずに通り過ぎます
ここでもスタンプだけ頂きました
厳しい登りを過ぎて、漸く行くと今日の目的地、観音堂に到着です
ここまでの行動時間10時間でした
非常に厳しい行程です
十津川温泉に泊まりたかったなぁ 温泉に浸かりたかったなぁと思います
ここでは4張りのテントが既にありました
もう平らな所はなく、張れる場所は傾斜地か雨が溜まっている所しかありません
なので、観音堂の軒下を借りて、テントを設営します
ソロテントなのでギリギリセーフのスペースです
少し斜めですが仕方ありません
ここのテントサイトは給水所の水の音が大きくて、良く眠れませんでした
4:30から朝食を摂り、5:30出発です
果無峠まで1.5kmほど登り、あとは下るだけです
ここから本宮町方面の眺めが、、雲の下に、、、
今日はようやく晴れの日です
杉木立ちから朝日が差してきました
果無峠です
ここでテントを張っている人もいました
風も強くて大変な所で一夜を過ごしたようです
ちょっと町らしい景色が見えます
地図を見ると熊野川
道の駅があるようです
もう一踏ん張りです
長い下り坂 果無峠から約1,000m降りてきました
昴から1,000m登って、1,000m下る 本当に果てし無く感じる所です
やっと八木尾バス停に出ました
しばらく舗装路を歩いて行くと、道の駅奥熊野古道ほんぐうがありました
めはり寿司が食べたくて期待していましたが、まだ開店しておらず、目当ての寿司は口に入りませんでした
諦めて本宮大社を目指します
中辺路に合流し快適な参道を進みます
道幅も広く参道らしくきれいに整備されています
観光客もスニーカーで散策しています
本宮大社手前で祓殿石塚遺跡がありました
遺跡好きの身としてはほっておけないので記念撮影します
祓殿石塚遺跡 (熊野古道中辺路・田辺市本宮町) の発掘・展示整備
南北約15m、東西約4m、最大高約1.3m の高さまで積上げられた石塚である。石の大半は30c m 未満の川原石で、江戸時代後半(18 ~ 19 世紀)の陶磁器や銭貨が共に出土した。このことから、石塚遺跡はこの時期に築かれたとみられる。
同種の遺跡は奈良県吉野郡大淀町にも所在し、参詣者たちが自らの穢れを清めることや参詣道中の安全などを祈念するために、石を積み上げたとされているため、このことから本遺跡も同種の遺跡と考えられる。
また、発掘調査の結果、石塚遺跡が築かれる以前の石列や集石遺構を検出するとともに、宝篋印塔の一部や他の遺物が出土した。このことから、石塚遺跡が築かれる以前の中世(鎌倉から室町時代)の段階には、すでに信仰関連の何らかの遺跡がこの地に存在したと推定される。
江戸時代の人々に神聖な場所という記憶が残っていたため、石塚遺跡がこの地に築かれたと考えられる。
世界遺産熊野本宮館でのレプリカ展示
この後、祓殿王子で巡礼スタンプを押して、熊野本宮大社に到着です
2年連続の熊野本宮大社
今年は令和元年の大きな文字が大きく書かれています
そして、昨年は雨で行かなかった大斎原まで足を伸ばし、本宮大社ゴールです
世界遺産熊野本宮館でCamino de Santiagoのモホンと再会
解説文にはホタテ貝は大斎原の方向を示していると書かれています
世界遺産熊野本宮館で今回の巡礼スタンプ帳とCamino del NorteのCredentialを提示して、結構詳細な申請書を出します
めでたくDUAL PILGRIMのピンバッジを頂きました
なかなか可愛いバッジです
今回の山行の目的は達成しました
本当はこの後、中辺路を歩いて那智大社に行く計画でしたが、すっかり満足してしまいバスで新宮に向かい
熊野速玉大社
新宮からJRで那智駅に向かい
バスで熊野那智大社
大門坂を下って
那智駅でお風呂に入って
新宮へ戻ってきました
名古屋方面に向かう交通機関は15時には無くなってしまうので、那智か新宮で宿泊先を探してみましたが、連休中で全く空きがありません
同じような境遇の人が駅に数名います
駅横のコンビニのイートインコーナーにもいます
話を聞くと、大峯奥駈道を歩いてきた人ばかりです
日数の予定が立たないので宿泊先を確保できていないとのことでした
私の去年の状況と同じです
交番でお巡りさんに相談しましたが、車に注意して寝床を探してくださいとのこと
公園も考えましたが物騒なので、少し安全そうな場所で3名でbivouacさせてもらいます
翌朝4:30 まだ誰も散歩に来ない時間に撤収です
みんなで駅に向かい始発の電車でそれぞれ帰路につきました
でも大峯奥駈道に比べたら修験道ではなく、少し厳しい巡礼の道なのでしょう
良い山行が出来ました
終わりです